request
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「送ってやろーか?」
波乱の一泊旅行も終わりを迎え、最寄りの駅に帰ってきた私達。
亜美ちゃんは途中の駅で両親が迎えに来ているらしく、その駅でお別れをした。
残ったのは、陽葵何でも屋で働く私達3人で
時刻は午後8時過ぎ。
蒼空さんは私にそう声をかけた。
「…大丈夫。家すぐそこだし」
口元がニヤけそうになった。
けれどグッと堪える。
だって、素直に嬉しいんだもん。
けれどその優しさを断る私。
その言葉に甘えて送ってもらえば、もっと好きになってしまう気がして………
「そ。知らねーおっさんにお菓子あげるからとか言われても絶対ついてくなよ?」
「つ、ついてかないわ!!!」
また子供扱い…!!!
キッ、と蒼空さんを睨む。
そんな私に蒼空さんはフッと笑って
「じゃーな」
ポンッ、と。
私の頭を軽く叩いた。