堕ちて、堕ちて、地獄まで。
キス顔絶対まじまじと見られた!恥ずかしい!
「とりあえず早く家帰ろ」
「うん」
頷くと、莉音はさらりと私のバッグを奪う。
「えっ!ちょっと!」
「こーゆーのは男が持つの。さーてさて、月果のブラのサイズはどれくらいかなー」
「ちょ、ちょっと恥ずかしい!」
「なんてね、冗談冗談。揉めればどんくらいでも好きだよ」
「…もう!莉音の変態!」
と叫ぶと、莉音は柔らかい笑みを零す。
「男ってのはそんだけ好きな子のことしか考えてないんだよ」
「…っ」
今までふざけてたのに、急にそんな顔しないでよ。
「莉音…」
か細く彼の名を呼ぶと、彼は私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「あ、そうだ。今日買い物してくるの忘れてた」
「あー、そっか。じゃ私が代わりに行くよ、莉音は申し訳ないんだけど私の荷物を家に運んでおいてくれない?」
「いーの?ありがと。じゃ、これメモだから」
ペロッとしたメモを渡され、その字の汚さにちょっと驚く。解読はできそうだけど、どんだけ汚いんだよって感じ。まるでミミズがのたうち回っているような字じゃないか…といったら失礼だろうか。