堕ちて、堕ちて、地獄まで。
肩と膝の裏に手が触れたと思うと、私はお姫様抱っこをされていた。
「いえ、そんなことは!」
こんなの、莉音にもしてもらったことないのに!
ってか、莉音じゃできないか…いや、そういうことじゃなくて!
「すぐそこだからさ。今帰りで」
としばらく男子校生が歩いて案内してくれたのは、別荘のような綺麗な家だった。
その男子校生はとある部屋のドアを開けて、ベッドの上に私を下ろしてくれた。
「とりあえずここゲストルームだから、ここでまってて」
「あ、…はい」
かちゃんとドアが閉まってから、私は辺りを見回す。
全体を見てやけに可愛らしい部屋だな、と思った。
女の子が好きそうなもの…ぬいぐるみとかピンクのレースカーテンとか、このベッドだってかなり可愛らしいし…が沢山揃っている。
そしてこの香水かなんかの匂いも女子らしい。ちょっと匂いがきつめかなって感じはするけど。
ゲストって言っても女子専用で、男子専用の部屋は別にあるのかな。
…それにしても、なんだか眠くなってきた。
昨日夜更かししたせいなのかな、瞼が重い。