堕ちて、堕ちて、地獄まで。
しばらくして目を覚ますと、私は家のベッドに寝かせられていた。側には莉音がいて、私のことをずっと見てくれていたことが分かった。
「月果…ごめんな」
やっぱり、莉音は謝ろうとする。自分は悪くないとしても…、謝らないで。
感情が咳切って、涙とともに溢れ出る。
「うっ…んっ、りおん…は、わるくない…」
莉音は私をスーパーに行かせただけじゃん。
でも彼は首を振る。
「いいや、俺が悪いんだよ」
という言葉と共にそのやさしい手で背中をさすってくれる莉音。
「ごめんっ…莉音はきっと…俺のせいだなって、思った、でしょ…?」
「そりゃ、思ったよ」
「違うから。あの人が悪いだけだから」
と言うと、莉音は何かを言いかけようとする。
「あいつが…」
「多分、お香のせいだから」
部屋で焚きつけられていた、あのお香。
確実にあれのせいで、あの人はおかしくなってしまった。
「…ああ。あれは違法薬物だろうな」
「なんでわかるの…?」
と聞くと、なぜか莉音はびくっとした。