堕ちて、堕ちて、地獄まで。
「熱くなきゃ意味ないもん!」
そりゃホイルで焼いた方が美味しいけど!
ピーッピーッ!
「あ!あったまったよ!」
ほかほかと湯気を立てるロブスターを取り出して味見してみると、
「熱っ!」
「え⁉︎」
しまった、舌火傷した!
「ごめん、ちょっと水…ってうわっ!」
勢い余ってボトルを倒してしまい、水がびしゃっと床に溢れる。
「あー…ごめん」
「ばか」
莉音はぷくっと頬を膨らませながら布巾で床を拭いてくれる。
「…ありがと」
「お前も手伝え」
「…はい」
ごもっともです。溢した張本人が何突っ立ってんだって話ですね。
床をどうにかして拭き終わり、私達は食事に手をつけ始めた。