堕ちて、堕ちて、地獄まで。
莉音は頷くと、彼女にキスした。
そしてそのキスはだんだん深くなり、女の声が漏れ出す。
「…っ」
意味が分からなかった。
莉音の目を見ようとしても、彼の目はその女に向いているだけで全く合わせられない。
私などまるでいないかのように振舞っている。
「お前やっぱ胸でかいよな」
「もちろん。だってあんたが巨乳好きだし」
「まーな。このサイズだとFはあんな」
「触っただけでわかるとかやばあ」
二人の会話を聞いているのが辛くなり、私は玄関から駆け出して布団に潜り込む。
「嫌…」
髪がぐしゃぐしゃになるのも構わず、私は頭を掻きむしった。
涙がぼろぼろと流れていく。
なんで…?
莉音は私のことを好きだったんじゃないの…?
前はプレイボーイだったけど、もうほかの女の子とは縁を切ったわけじゃないの?
…今までも、私に隠れてこんなことをしていたの?
考えだすと止まらない。
私が生理中で断ったからいけなかったの…?
私は莉音にとって何だったの…?
遊び相手なの…?
嫌だよ。
そんなの、嫌だよ。
莉音が、私の一番でいたい。
私は、莉音の一番でいたい。