堕ちて、堕ちて、地獄まで。
なぜなら、ベッドで莉音が服を全て剥がれている女に覆い被さっていたから。
今までも何度かこのような場面を見てきた。
その度に心が壊れそうになっていた。
けれど、今日ほど辛い時はなかったと思う。なぜなら、その女の顔は見知った顔だったから。
莉音は、凛咲ちゃんを抱いていた…。
「凛咲ちゃん!」
私は莉音の胸板を突き飛ばし、彼女とはっきり目を合わせた。
「凛咲ちゃん…っ、」
なんでよりによって、私の彼氏を奪うの?あのとき、全てを飲み込んだんじゃないの?
「だって、あれからずっと好きだったから」
その答えに、私は目を見開いた。予想外の答えだった。もう凛咲ちゃんは別の恋に向かって進み始めたのかと思ってたのに。
「中学の頃に初めて会って、それから一目惚れして。中学の頃は私、ブスでデブだったじゃん?
高校でようやく人の目を気にせずに生きられると思ったの。だから春休みにダイエットして、この身体を手に入れたの」
凛咲ちゃんは慈しむように自分の身体を見た。
その身体は、以前見た時よりずっと細くなっていた。
今にも折れてしまいそうなほど細くて、健康ではないと一目でわかるほどだった。
「でも、高校生になってもなかなか会えなかったの。