堕ちて、堕ちて、地獄まで。
「ん…」
私はそっと目を開けた。
ここは何処だろう。
辺りを見回してみると、一番最初に目についたのは姿見だった。
じっと覗き込んでみると、怯えた顔をする女の子と目が合った。
右手で鏡に触れてみると、目の前の女の子も左手で鏡に触れた。
ということは、きっとこの人は『私』なのだろう。
でも、その『私』が誰かが分からない。
おろおろしていると、いつのまにか近くに座っていた男子と目が合った。