堕ちて、堕ちて、地獄まで。
私が学校に着いてみると、もう私の友人は着いていて。
「おはよー」
「おはよん」
挨拶をすると、彼女はイヤホンを外してくれた。
「そういえばさ」
「ん?」
「帆奈の言ってたこと、本当のことなの?」
「はあ?」
彼女は首を傾げる。そう、彼女の名前は帆奈というのだ。
なかなか名前が出てこなかった理由は、私は普段あまり人の名前を呼ばないから。
…気にするのはそこではなかったか。
「だって、莉音は暴走族じゃないって言ってたし…帆奈のそれって、どこの情報?」
「?彼氏からだけど」
「か、かかかか彼氏⁉︎」
「そうだけど」
ちょっと呆れた様子で言う彼女。
「私の彼氏、雷神の幹部なの」
いや、そんな偶然ある?
莉音みたいな身長が低い…おっと、あんまり高くなくてオーラさえ感じない人でも元?
暴走族だったりするのに、それに加えてさらにそんなイメージもない帆奈が雷神とかいう族の彼女だというのか。
世の中よく分からないものだ。