堕ちて、堕ちて、地獄まで。
「…甘い」
「?」
「甘いなって」
隣にいる莉音に微笑みかける。
「…ん。そうだな」
彼も私の顔を見て笑んでくれる。
夏のベッドはクーラーのせいか、すこし冷たい。けれど、こうやって莉音と肌を合わせていると、そこまで寒いとは思わなかった。
「…明日も学校だよな」
「そっか」
「明日、休みたいなあ」
えっ、かわいい。莉音がこんなことを言うなんて思っても見なかった。
「明日はちゃんと行くよ」
「…そのかわり、土日どっかいかない?」
恥ずかしい。恋ってこんなに大胆になるものなんだ。
「うん。いいよ」
その笑顔は柔らかくて、温かくて。疲れもあったせいか、私はこてんと枕に頭をつけて眠ってしまった。