堕ちて、堕ちて、地獄まで。
その様子に若干疑問を持つ。黒歴史でもあるのだろうか?
「ねえ。そのアルバムって…莉音の家族の…」
「…」
ぼーっとしたままアルバムを見つめる彼に、私はもう一度呼びかける。
「…莉音」
「っ、ごめん。考え事してた。何?」
「そのアルバムって、莉音の家族の、なの?」
「…ああ、そうだよ」
彼は素直にそのアルバムを開いて見せてくれた。意外だ、黒歴史なんじゃなかったのか。
「俺が写真撮られるの嫌いだからちょっとしかないけど」
え。…可愛い。
莉音のミニサイズが、そこには生きていた。
今よりだいぶ可愛らしい印象で、よく知らない人だったら女の子と間違えてしまいそうだった。
まだ髪は黒色のままで、でもそれでも十分可愛いことが伝わってきた。
「ハーフみたいだって昔は間違われてたらしい」
「今は完全日本人の顔立ちだね」
十分整ってはいるけど、ハーフらしさは微塵も感じられない。
「うっせ」