堕ちて、堕ちて、地獄まで。





「あ、の…」

ちょっとその話は…と私が話しかけようとすると、それを誰かが遮った。

「こら、鈴城と木野!今は何をする時間かわかってるだろ?」

遮ったのは英語の教師だった。そういえば英語の授業してたんだった。

ちなみに木野とは梓の名字。フルネーム木野梓。

「うーんと、確か自由時間だから何をしてもいい…?」

首をちょこんと傾げる鈴城くん。

女の先生だったらその天然さに『もう、これからは気をつけなさいよ』とだけ言って終わらせそうだが、今回は男の先生。

幸いなことに若干フレンドリーな先生ではあるがそれだけで許してくれるわけがない。

「そんなことにボケなくていい。俺は確かに“自由”という言葉を使ったが、この意見について“自由に”“英語で”議論していいと言っただけだ。

自由なテーマで喋ってもいいわけじゃない。中学生じゃないんだからこんなこと言わせんな」

「はいはい、わかってますよ」

面倒くさそうに返事をする鈴城くん。

「何がはいはいだ!さっさとやれ!」



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