堕ちて、堕ちて、地獄まで。
やっぱり、会おう
今日はなんてことない休日。
私がソファーでごろごろしていると、
「月果」
莉音がいつになく真剣な表情で言う。
「俺、月果に言わなきゃいけないことがあるんだ」
その真剣さから、あまりいいニュースではないと咄嗟に察した。
しばらく躊躇った後、莉音はこう口にする。
「…俺、月果のお母さんに会いに行かなきゃいけないと思う」
現実を見ようとしない私にとって、辛辣な言葉だった。
「…それは、嫌」
私は、その言葉をどうにかして絞り出す。
会いたくなかった。あんなに酷い言葉をかけて私を追い出したくせに、どうして私が謝らなくちゃいけないの。
「月果がもしどうしても謝りたくないって言うのなら、別にそれでもいい。俺はただ、月果を預かって良いか聞くだけだから」
「…そんなん、良いよ。どうせお母さんは厄介払いができたと思ってるから」
「じゃあ、何で月果を産んだんだよ」
その言葉に、私は息を呑む。
「じゃあなんで、月果をここまで育ててきたんだよ…っ!」