ときめき、デイドリーム
崇める朝
*
「………わたしは一体何を……」
「それはこっちの台詞だよ……」
まるで地球が滅亡する前の如き顔で、机に突っ伏していた。
そんな顔をしているという自覚もあるし、それほどのことをやってしまったと認識もしている。
わたしは……推しのご家族に、それも実弟に向かって一体何を口にしていたのか……思い返したくもない。
あああああああ、いますぐこの無駄口ばかり叩く口を縫い付けて記憶を抹消したい!!朝水那吏様の記憶を特に!!!
「どうしたの?凛琉があんな風になるなんて珍しいね」
「あ、えっとね……、」
ついつい事情を話してしまいそうになって、慌てて口をつぐんだ。
まずい。いくら親友でも、これは口にしたらダメだ。喋れない。
「な、ナルくんの話で盛り上がって……」
「朝水くん、朝日ナルを知ってたんだ?」
「うん!そうなの!」
そして実の弟だとは、いまはまだ口が裂けようと、いや、地球が滅亡することになっても言えない。