ときめき、デイドリーム
「んじゃあ、今度!もしお休みとれたらその日は死守してね!」
「ん。わかった。じゃあね、凛琉」
「うん。また明日」
ばいばい、と手を振って、真生が足早に教室から出て行くのを見送った。
……さて。わたしも帰ろう。
今日はお母さんとお父さんどっちも出張でいないから、何か自分で作らないと。
んー、何にしようかな。お惣菜コーナーで作ってあるのを買うのもいいけど、料理の腕はあげておきたいし……。
これはナル様云々ではなく、家庭科の調理実習の時に、真生をサポートできるくらいの技量は身につけておきたいから。
あの子はバイトではきびきび動けるのに、学校や家ではスイッチがオフになって鈍臭くなってしまうらしい。
この前なんて、クッキーを作る実習で黒焦げのダークマターを生み出していた。
これには本人だけでなく、班員全員がなんとも言えない顔になったっけ。