ときめき、デイドリーム



正座をしていたのに、朝水那吏様に引き上げられて、無理やり立たされてしまった。

スカートも律儀に払ってくれる。わたしが勝手にしてたのに。



「す、すみません。朝水那吏様の真珠のように綺麗な手を汚してしまって……」

「……べつに。なんの説明もしないまま連れてきた、おれがわるいし」



……あれ?さっきより、流暢になってる?

数時間前までは、もうちょっとぎこちなかったと思うんだけど……。



「……なに」

「あ、いえなんでもありません!誠に申し訳ありませんでしたこんな愚民が5秒以上も輝かしいご尊顔を見つめてしまって、」

「ほんとにいいから……」



なんだか、朝水那吏様がぐったりしている気がする。……わたし、やっぱり勢い強すぎたかな。



「と、ところで、お話とはなんでございましょうか……」


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