ときめき、デイドリーム
わたしがここに連れてこられた理由を聞くと、朝水那吏様は人差し指と中指、それに薬指を立てた。
「まず、あの時話したけど、兄さんのことは誰にも言わないこと」
「はいそれはもちろん、」
「ふたつ目。おれのことは様付けしないで。朝水とでも呼んで。変に不審がられたりしたら困る」
「そ、それはちょっと……」
様付けしないのは、許されざる所業なのでは……。
「おれがいいって言ってるんだから、別にいいでしょ。なにか問題ある?」
「……そ、それでは、朝水くんと呼ばせていただきます」
「あ、あと敬語も抜いて」
「ぷ、プラスアルファでですか?!」
それはほんとに無理!!!恐れ多すぎて無理だよっっ!!
「それだけはどうかご勘弁を……」
「むり。だめ」
「ゔっ……、」
顔面の破壊力がレベチな人は、むりとだめを区切って使っちゃダメだと思う……。こんなの、全女子が落ちても不思議じゃないよ……。