ときめき、デイドリーム
ふーん、と軽い相槌をうった真生は、ふと柱に貼ってあったポスターの前で足を止めて。
「これ、朝日ナルが出てる映画だって、凛琉言ってなかった?」
「あ、うん!そうなの!真生よく覚えてたね?」
「うん。凛琉に原作も貸してもらったし……、ここで返すのは邪魔かもしれないけど、でも読み終わったし、返すね。ありがと」
「わっ!これ、わたしが貸した本だったの?」
真生がごそごそと鞄の中から取り出したのは、駅前で真生が読んでいた本。
もう読み終わったとは。真生、あんまり読書しないって言ってたのに。
「ど、どうだった?」
「面白かったよ。ミステリー要素があってすらすら読めた」
「で、でしょっ?まだ公開してないけど、今年の夏に公開予定だから、観に行くって決めてるの!」
「そうなんだ。たぶん、原作と映画って内容はちょっとちがうよね?」
「うん。ちょっと設定が変わってたりするところはあると思うけど、面白いと思うよ!」
共通の話題があることがうれしくて、思わず力説してしまっていたら。
真生はやわらかくわらって。
「じゃあ、今度はこれ観にくる?」