ときめき、デイドリーム
……というか、いまこうやって寝てるのもほんとはマズいのでは。
「朝水くん、得意科目とかはあるの?」
「……現文」
「じゃあ苦手科目は?」
「……古文」
「えっ、そこなんだ」
「うん。古文とか、ほんと、なに書いてんのかわかんない……」
そもそも古文とか、別に読めなくても困らないのに……、なんて、勉強しなくていい言い訳を、いつかのわたしのようにつらつらと独りごちている。
……あれ。そういえば。
「朝水くん、わたしのこと避けてるんじゃなかったの?」
「……え?」
ベットからすとんと降りた朝水くんは、不思議そうに首を傾げている。
まるで、わたしが言ったことが的外れ、みたいに。
「……ちがう、けど」
「え、えっ?!で、でも、ほら、わたしと朝水くん、会ってもあんまり話さないから、わたしのこと警戒してるのかなって思って。遭遇率も低かったし……」
「……それは、たんに、おれが寝不足で、朝よわいのと、……あと、はなしかけてもいいのか、わかんなくて」
「……へ?」