闇に溺れて、秘密のキスを。【ハロウィン特別番外編】
「俺に何されてもいいなら大丈夫だよ」
「私、神田くんに何かされるのが嫌なわけじゃないよ……?ただこの前は突然で驚いちゃって」
「ほら、そう言って後悔するのは未央だよ」
「後悔しません!」
叫ぶように言った後、もう一度神田くんの胸元に飛び込む。
神田くんはすぐに私を受け止めてくれた。
ため息を吐きながらだったけれど。
「じゃあ俺が手を出しても文句はないね?」
「うん!」
「なんでそんな呑気に笑ってるの未央」
「だって神田くんだからきっと、変に手を出したりしないだろうなって」
そう思える謎の自信があった。
「未央って意外と小悪魔なの?そんなこと言われて、我慢する以外の選択は残ってないよね」
「……ふふっ。今の神田くん、余裕がなくて可愛い」
いつも余裕があるのは神田くんで、ないのが私。
それが決まりのようになっていたけれど、今は立場が逆転している気がする。
それが少し嬉しい……なんて。
「可愛い……か。それは不服だな」
「え……んっ」
つい笑みがこぼれていると、何の前触れもなく少し強引に唇を奪われてしまう。
そういう雰囲気ではなかったため、心の準備が間に合っていなかった私は、すぐに頭の中が真っ白になった。
「ふっ、んんっ」
名前を呼ぶ間もなく、再び唇を重ねられる。
それも深いキスで、だんだんと息が乱れていく。
甘くて深いキスに一瞬にして思考を奪われ、私を捉えるその瞳に吸い込まれてしまいそうになる。