闇に溺れて、秘密のキスを。【ハロウィン特別番外編】
「もちろん空いているよ。それにもし埋まっていても、未央のためなら意地でも空けるから安心してね」
「そ、そこまでは……!」
予定を変更させてしまうのは申し訳ない。
ただ今日は本当に空いているようで安心する。
「じゃあこの後、私が神田くんの時間をもらってもいい?」
「可愛い誘い方だね。俺の時間なんていつでもあげるよ」
不器用な誘い方だったのだろう、可愛いと笑みをこぼしながら言われて恥ずかしかったけれど、喜びの方が勝っていた。
「実はね、今日はお父さんとお母さんが家に帰って来なくて……だから、良かったら私の家にどうかなって」
我ながら頑張ったと思う。
ちゃんと神田くんを家に誘えた。
たまには家に誰もいない、二人きりの空間も良いなと思っていたため、誘えたことに安心する。
「未央の家……?」
神田くんの返答を待っていると、なぜか彼は固まっていた。
もしかして、何か不都合なことでもあるのだろうか。