君のとなりで恋をします。【番外編】
「じゃあ、オーガだけでいいや。
オーガ!あそぶぞ!」
「〝遊んでください、桜河さん〟だろ?
…お前、本当に父親そっくりだな。」
5歳児相手に大人気ない発言のように思えるが、その頭を撫でる手つきはとても優しい。
「るりもあそぶ!」
「おー、来い来い。」
駆け寄る二人を同時に抱き上げて、クルクルと回す桜河。
キャッキャと楽しそうに笑う二人に微笑む彼を、じっと眺めていた。
「ふふっ…。
桜ちゃん、良いお父さんになりそうだね。」
「まぁ、桜河もかなり子どもっぽいとこあるからねー…(笑)」
「…とか言って、さっきからデレデレ顔で桜ちゃんのこと見つめてるくせに〜(笑)」
「…んなっ!?
そんな顔してないし!」
そう否定しても、咲花は未だにニヤニヤとこちらを見つめてくる。
桜河にデレデレなんてしてないし…。
まあ…たしかに〝かっこいいな〟とは思ってたかもしれないけど…。