君のとなりで恋をします。【番外編】
「…それより、葵斗は?」
恥ずかしさで顔に熱が上って来るのを感じ、私はそれを誤魔化すように話を逸らした。
「今柊ちゃんを迎えに行ってるよ。」
「そっか。
柊吾…この家に来たことないんだっけ?」
「うん、今日が初めてで……
……───あ、噂をすれば…」
咲花の声で玄関の方に視線を向けると、そこには見慣れたふたりが並んでいた。
「……柊吾!葵斗!」
「お、香純、桜河!いらっしゃい!」
「みんな、久しぶり。」
マイホームにドヤ顔の葵斗と、相変わらず優しい笑顔の柊吾。
この町に住む葵斗や咲花とは、私たちが帰省する度に結構会ったりしてたけど…
柊吾は今東京の病院で働いている。
そのため、帰省のタイミングもなかなか合わなくて…2年以上会えていなかった。