想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
「ごめんね・・・」
小さな小さな声で言う。

寝ている宏貴に、心からそう伝える。

何度も何度も謝りながら、恵理は眠れないまま朝を迎えた。


ぐっすりと眠っている宏貴を起こさないように気を付けて、ベッドを抜け出し、何もなかったように恵理は朝食の支度を始めた。

冷蔵庫の中には、大量の果物や飲み物、ゼリーやプリンなど食材が山ほど入っている。

ずきずきと痛む胸。
恵理は深呼吸をしてから、宏貴の好物を作り始めた。

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