想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
「ごはん作ったの。」
「あぁ。ありがとう。」
ぎこちないまま、二人は朝食を食べた。

食後に宏貴がシャワーを浴びている間に恵理は、トイレに行って食べたものを吐いた。
気にしないようにしても、自分に大丈夫と言い聞かせても襲ってくるつわりに、お腹の中から赤ちゃんが生まれたいと言っているような気がしていたたまれない。

なかなか吐き気が治まらなくてトイレから出られない恵理。

『コンコン』遠慮がちにドアをノックされて慌てて体勢を直して恵理はトイレから出た。
何も言わずに洗面所に向かう。

後ろから心配そうについてきた宏貴に「シャワー浴びるね」と短く言って浴室の扉を閉めた。

洗面台の鏡に映る自分の顔に驚く。
真っ白に近い顔色。
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