想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
正直、要領は悪い、効率も悪い作業。
それでも、ほかの社員よりもハイペースで、数をこなしている恵理。
これは恵理の努力以外のなんでもないと宏貴は知っている。

「また、無理して。」
ソファで眠っている恵理の髪をもう一度かき上げて、宏貴はその隣に座る。

何年一緒にいても、この愛おしさは変わらない。
むしろ膨らむ一方だ。


そっと恵理の額に触れると少し熱い。

宏貴は、立ち上がりコンビニの袋の中から買ってきてある冷却シートを出した。
仕事で根詰めすぎると恵理は熱っぽくなる。

予測していた恵理の状態になれた手つきで宏貴は冷却シートを貼った。
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