想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
病院での診察が終わってから、宏貴の運転で恵理が伝えた場所に向かった。

ハンドルを握る宏貴を恵理が見ると、ちらりと恵理の方を見る宏貴。

「どうした?大丈夫か?」
心配そうに、助手席の恵理を気遣う。

座席を倒してくれたのも、5分に一度恵理の手に触れて車内の温度を調節しているのも、ドリンクホルダーに恵理が飲めそうな飲み物を置いてくれているのも、宏貴だ。
お腹にジャケットをかけてくれているのも。

「大丈夫」
カーブを曲がる時、ブレーキを踏む時、いつも以上に気遣っている宏貴の運転。

心地よさに、恵理は目的地に着く前に眠ってしまった。
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