想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
宏貴が買ってきたものはどれも恵理の好みのもので、恵理は嬉しそうに食べ始めた。
「本当に食べてる時、いい顔するよなー。」
そう言って笑いながら、宏貴は恵理の口元についていたクリームをとる。
「リスみたいだよな。恵理って、もの食べてるとき。」
「そう?」
「かわいい。」
「やめて・・・食べずらくなるから。」
宏貴は愛情表現を惜しまずしてくれるタイプの人間だ。
言葉でも、態度でも愛情表現をしてくれる。

一方恵理は甘えるのも、愛情を表現することも苦手だ。
恥ずかしくて、宏貴からの愛情表現にもいつだって耳を真っ赤にして反応に困ってしまう。

「終わったら思いっきり恵理の事、抱きたいわー。」
「変態・・・。」
パーテーションがあるとはいえ、ほかの社員に聞かれるんじゃないかと気が気じゃない恵理。
宏貴はお構いなしに恵理の頭を撫でる。
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