想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
「着いたよ」
少しだけ海についても恵理を寝かせたくて、ひとり車の中から海を眺めていた宏貴。

寒くなる前にと、恵理を起こすと恵理はすぐに車から降りた。

宏貴も運転席から降りて恵理の方に近づく。
助手席に残っている自分の上着を恵理に着せる。

恵理の視線は海にくぎ付けだった。


「ずっと来たかった。海。」
海に視線を向けたまま言う恵理の表情が、少し明るい。

目を閉じて、恵理は大きく深呼吸を何度もした。
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