想いのままに心のままに ～結婚より仕事の30女が身ごもりました～

お互いに無理はしないことは二人の約束事項だ。

前のようにがむしゃらには仕事はしない。

2週間に一度の心療内科の受診も、宏貴が付き添ったり送迎をして、一緒にいてくれる。
宏貴も、それまではペースを上げて仕事をしていたのをやめた。

ある程度引き受ける仕事と、断る仕事、ほかの社員に回す仕事を分けるようになった。

はじめは正直怖かった二人。
今までの努力が、なかったことになるのではないか、顧客が減ってしまって誰からも必要とされないんじゃないかと不安だった。

でも、仕事のペースを変えてから、むしろ一つ一つの仕事と密接に関われて、そのことで今まで以上に仕事のクオリティがあがり、二人を指名して以来してくれる企業が増えたくらいだった。

ふたりとも心を切り替えていくことに、はじめは抵抗感を感じずにいられなかったものの、自分たちでも自覚できるくらいのクオリティが出せるようになり、今はほとんど抵抗感がない。