想いのままに心のままに ～結婚より仕事の30女が身ごもりました～

「助かるー。サンキュ。」
宏貴は今まで恵理に任せていた外部との連絡が増えて、知らないことや、新しく必要な情報が増えた。
大切な情報は資料に残っていても、必要な情報は恵理の頭の中に入っていることが多い。
何度か企業とやり取りをして、相手の企業の特徴や話の円滑な進め方、必要な確認の方法や配慮が必要なところなど、恵理は宏貴に資料に仕上げて渡すようにしている。

恵理任せにしていたことの多さに、宏貴は反省しながらも、恵理の体調が崩れた今だからこそ知れてよかったとも思っていた。

「恵理、ごはんにしようか。」
「うん」
食事もなるべく規則正しくとる。

「はい。」
「サンキュ」
恵理は毎朝宏貴のためにお弁当を作ってくれている。