想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
恵理は支度を始めるときにメモをみる。
忘れ物をすることも、情緒の乱れにつながってしまうからと作ったメモを見ながらバックの中身を確認する。
朝、部屋を出る時にも確認していても、もう一度病院に向かう前に確認をしないと不安になることが多い。

この持ち物のメモで、宏貴も忘れ物が減った。
恵理の病気で、宏貴が担う部分は増えた。配慮することも増えた。
でも全く負担に感じないのは、恵理への愛だけじゃなく、宏貴にもメリットとなることも多いからだと宏貴自身思っていた。

「大丈夫」
「よし、行こうか。」
宏貴が上司に声をかけてから二人は、車で病院に向かう。

恵理は磯貝医師との診察に使えるように、いつ、どんな症状があったかを細かくメモをするようになった。そのメモをもとに対処法は考えたり、薬の量を決めたりしている。
メモには宏貴の文字もあって、一緒に診察に向かえない時は恵理のメモに気になったことを書き出すようにしていた。
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