想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
会社からでて、タクシーに乗り込むとすぐに恵理は、隣に乗り込んだ宏貴の肩に自分の頭を乗せた。
「お疲れ」
宏貴は恵理の頭を撫でる。

2人を乗せたタクシーはマンションの前で止まった。

宏貴と恵理は付き合って3年が過ぎたころから同じマンションの隣の部屋に暮らしている。
仕事がら深夜二人一緒に呼び出されることも多い。

宏貴は田舎から上京して一人暮らしをしていて、理恵は幼くして母を亡くし、父は再婚していてほとんど連絡を取り合っておらず、近くに頼れる存在のない二人にとって、近くに暮らすことは自然な流れでもあった。

タクシーがマンションに着くころには恵理は熟睡していて、何をしてももう起きない状態だった。

宏貴は支払いを済ませると、恵理と自分のカバンを首からかけて、恵理のことをおんぶして部屋に向かう。
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