想いのままに心のままに ～結婚より仕事の30女が身ごもりました～

「今日はなんかうまいもんデリバリーで頼んで、ゆっくり泣ける映画でも観ながらのんびりしよう。ゆっくり湯船につかって、夜は特別にマッサージつける。」
「・・・甘やかしすぎ。宏貴、私のこと。」
「当たり前だろ？惚れた弱みよ。」
「ふふっ」
今の恵理の笑顔を戻すのは、宏貴にしかできない。

その日の夜、二人はデリバリーを頼み、宏貴の言葉通りにソファに二人並んで座り映画を観た。
泣ける映画かと思って選んだ映画は実はパロディ映画で、二人は涙がでるほど笑った。

お腹が満たされてひとしきり笑い合ったあとは一緒に湯船につかり、他愛もない会話をする。

お互いの髪を乾かし、寝る前に罪悪感たっぷりのアイスを食べて、ベッドに入る。

抱きしめあって、お互いのぬくもりを感じ、眠りにつく・・・。

恵理は仕事か結婚かを悩んだ自分を後悔するほどの幸せな時間に浸っていた。