想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
宏貴を起こさないようにそっと布団から出ると、恵理は宏貴のために料理を作り始める。

数日家にいなかった二人。
冷蔵庫の中は空っぽに近い。

恵理は幼いころに母を亡くしていて、料理や家事をするのが得意だ。

わずかにある材料で栄養のあるものを作ることも得意だった。

ずっとコンビニやテイクアウトの食材ばかりだった宏貴に、手料理を食べさせてあげたい。
恵理はエプロンをつけてさっそく料理を始めた。

料理がひと段落したところで、恵理は自分と宏貴のバックの中から洗濯物を取り出して洗濯を始める。
ふと、洗濯機の隣の浴室をみるとすでに掃除がされていて、宏貴が眠る前に、起きてからすぐ入れるようにお風呂の支度も済ませてくれていたことに気づいた。

いつものように、自分のメイクを落として、着替えもさせて、きっと保湿クリームまで塗って、髪をほどいてくれていることも、浴室の鏡に映る自分を見て気づく。
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