想いのままに心のままに ～結婚より仕事の30女が身ごもりました～

「・・・」
少し恵理の手が動き、すぐに恵理の顔を見ると少し苦しそうな顔をしている。
夢の中だけでも、苦しい思いをしないでほしいと宏貴は立ち上がり、恵理の髪を撫でた。

「・・・」
宏貴の手に気づいた恵理が何度か瞬きを繰り返す。
「恵理」
少しでも恵理が安心できるように、その名前を呼ぶと恵理は宏貴の方を見た。

その恵理の表情を見て、宏貴はうろたえそうになるのを必死にこらえる。

まだ、目を閉じている時に辛そうな表情をしていた時の方がましだと思ってしまう。


目を覚ました恵理は、感情の全く感じられない表情になってしまった。