想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
「まだ、薬の効果が残っているうちに、帰宅して必要なものを持ってきてください。何かあればすぐに連絡しますが、病院の中は常に看護師がラウンドしていますので、ご安心くださいね。」
入院に必要なものの書かれた書類をもらった宏貴は、看護師に声をかけて一度帰宅する支度を整えていた。

救急車で搬送されるときに、救急隊員の指示で必要な財布や保険証は持参していた。
でも着替えや入院に必要なものは持ってきていない。

ひとまず家にあるものを持ってきて、足りないものは病院の売店で買い足せばいいと考えながら、宏貴は恵理の頭を撫でた。

病院に運ばれたのも日付が変わってからだった。
時計をみると朝の5時すぎ。

帰宅してシャワーを浴びて、入院の支度をして、仕事の段取りと・・・。
早く恵理の元へ戻れるようにと考えていると、ふと恵理が宏貴の手を握った。
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