想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
ひとくち。
またひとくち。

つめたく冷えている軽食を口に運ぶ。

気づかないうちに流れてしまった涙ですこししょっぱい。



愛する人が笑いも泣きも、怒りもしない。
愛する人が・・・

恵理の失った感情のない表情を思い出して、宏貴はあふれる涙をとめられなかった。


今だけ。

今だけは・・・。
そう自分に言い聞かせながら、口いっぱいに頬張り涙を流し続けた。
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