想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
恵理の入院生活が本格的に始まった。
宏貴はいつでもリモートワークできるように仕事を進めていて、病室から仕事をして出社しなくても大丈夫なようにしている。

個室の病室に置かれた簡易ベッドで寝泊まりする生活。

恵理は食事をとれず、入院してから数日で体重ががくんと落ちた。

食事制限は全くない恵理に、磯貝医師はなんでも食べたいものを食べるといいとアドバイスをくれた。けれど、宏貴が少しでも恵理から離れようとすると、恵理が宏貴にしがみついて離れられなくなるため、宏貴は買い物に行けない。

散歩しようにも、恵理の足元はおぼつかず、過呼吸やパニック発作を起こしてしまうため車いすで数分程度しか出られない状態だった。
精神安定剤を使用する日が続き、この入院生活に終わりが来るのだろうかと宏貴は不安になっていた。

入院していても、恵理の表情は戻らないままだ。
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