想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
『病室の窓から、私は毎日あなたを見送ります。その時、未来のパートナーと一緒にいるあなたの姿を見せてください。一度じゃだめよ?何度も。何度も。
はじめは私、嫉妬してあなたに冷たくしちゃうかもしれない。でも、きっと何度も何度も見ているうちに、安心に変わると思うの。
それにね、もしかしたらほかの誰かと一緒にいるあなたをみて、簡単には譲れないって、底力を発揮して長生きするかもしれない。希望も持ってるくらいなの。』

慌てたように、ほかの女性と一緒に病院から去る父を覚えている。

今になって知った事実・・・。

母は見ていたんだ。父の姿を。
そして父は知っていたんだ。母が見ていることを。

だから・・・慌てて足早に・・・。

二人はお互いをちゃんと想っていたんだ・・・。
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