想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
会社の地下駐車場に車を停めると、宏貴はすぐに後部座席の恵理の方に向かい、扉を開けた。
「歩けそう?少し休憩するか?」
「・・・平気。」
扉を開けてもまだ目を閉じていた恵理に、宏貴は心配になる。

「上で少し休めよ。計画あげてる間くらい、休めるだろ。」
「んー。でもデザイン始めないと。」
「ちょっとでいいから。」
「・・・うん」
恵理が車から降りるとすぐに宏貴はたくさん買った画材の袋を持つ。
「ありがとう」
「どういたしまして。歩けるか?」
「うん。」
本当は何ともない。
でも、今は心配してくれる宏貴に甘えたい気分だ。

「自分で持つ。変に思うでしょ?みんな」
ここで甘えられないのが恵理。
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