想いのままに心のままに ～結婚より仕事の30女が身ごもりました～

「一橋のレベルは俺たちと比べ物になんないからなー。美園のデザインも美大でも出てんじゃないかって思うくらい技術あがってるけど、一橋の技術はこの業界でもうらやましくなるくらいのレベルだろ？俺も教えてほしいよ。」
宏貴をほめられると恵理もうれしい。
でも同じくらい、宏貴に見合うようなレベルに自分もいないとならないと、気が引き締まる。

「一橋は？」
「打ち合わせが伸びてるみたいで。」
「そっか。お前たち常に一緒に行動してるから、一緒じゃないと違和感だな。」
それは恵理も同じように思っている。
宏貴が一緒にいないとなんとなく落ち着かなくなってしまった。

「これから一緒に飲み行かないか？久しぶりに集まったし、みんな非番だからさ。」
トラブルが起きた時や、深夜のシステムメンテナンスはなるべく急な呼び出しに対応できるように、何かが起きたらだれが呼ばれるか決まっていた。
恵理は基本的にはそのローテーションに関係しない担当部署になっている。