想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
恵理がどれだけ努力してきたかわかる。
だからこそ、恵理の気持ちが痛いほどわかる宏貴は、恵理の想いを尊重することにした。

ソファですぐに寝息を立て始めた恵理が起きないように、静かに作業をする宏貴。
いつも以上にペースを上げて仕事をしていく。

恵理だったらこの配置はどうするか。
恵理だったら・・・そう考えながら、今まで一緒に仕事をしてきた時間でわかりあえていた部分が増えていることを実感できた。

「・・・ありがと・・・」
もぞもぞとソファで体を起こした恵理。
時計をみるとあれから20分ほどたっていた。

すぐに立ち上がり恵理を支える宏貴。
「少しマシになったから、やるね。」
まだ真っ青な顔のままの恵理に、心配になりながらも作業用の椅子に座るのを手伝う。
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