想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
なんでも知っているつもりだった。
恵理のことを、言葉がなくてもわかっているつもりだった。
なんだって伝わりあえていると勘違いしていた。

ずっと一緒にいた恵理と宏貴。
ふたりの間を隔てているものはないと思っていた。
だからこそ、自分におごっていたことに気づく宏貴。

言葉にしないとわかってあげられないことがまだあった。
ただそばにいるだけじゃだめだった。

「宏貴・・・」
「ん?」
なかなか言葉にできない恵理。
辛そうな恵理を見ている宏貴は自分の心も痛くて仕方ない。



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