タングルド
待ち合わせのコーヒースタンドに行くと窓際に雪の姿を見つけた、LINEで伝えるとすぐに店から出てきた。
仕事中とは違う、長いチェーンのピアスがキラキラと光を纏いながら揺れていた。

韓国風の焼き肉は野菜を多く摂るためヘルシーだと思ったのだが、雪の服装が少しセクシーでチョイスを間違えたかと焦った。それでも、雪が「美味しい〜」と言って食べてくれている姿に嘘や我慢を感じないので、大丈夫そうでよかった。






「今から俺の部屋にお持ち帰りしようと思ってるけど、いい?」

「たいしたものではありませんが、お土産にどうぞ」

「どこかに忘れるといけないからしっかり手に持っていきます」

こんな何気ないやりとりの中に幸せを感じる。
沢山の思い出を作りたい、この人の手を一生はなしたくなくて雪の手の甲にキスをした。
< 103 / 226 >

この作品をシェア

pagetop