タングルド
目が覚めると俺の腕の中で雪が静かな寝息を立てている。
柔らかな髪はほどよく指に絡む、ふれあう肌からは雪の熱が伝わってくる。
規則的だった呼吸に乱れが生じる。

「おはよう」

「シャワー借りるね」

さんざん貪り鳴かせた身体は大丈夫だろうか?
「大丈夫?歩ける?」

「大丈夫」
と言ってシャワールームに向う雪はかなりけだるそうで、それがまた色っぽい。

雪がシャワーを使っている間に、スマホのチェックをする。
昨夜、電源を落としたスマホは電源を入れた途端にお知らせが大量に流れ込んできた。

その中の彩香さんからのLINEのお知らせをタップする。
『会って話をしたい』
『どうしても急いで相談したい』
というメッセージがいくつも入っていて、うんざりするが会って話をしないことには収まらないだろう。

『今夜、8時に迎えにいきます』
一言だけLINEを入れた。

< 106 / 226 >

この作品をシェア

pagetop