タングルド
<それぞれの週末>
賢一の部屋。

相変わらず生活感の無い部屋だが、意外と落ち着いたりする。

シングルベッドの私の部屋と違って、セミダブルのベッドに二人で何も付けない生まれたままの姿でゴロゴロと怠惰を貪る。
サイドテーブルにはターキーのボトルとグラスが二つ。
水も氷も無い、ストレートでバーボンを楽しみながら大型テレビで動画を再生する。

主人公が知らずに恋する相手は大企業の御曹司で、ライバルに嫌がらせされつつも御曹司の愛で障害を乗り越え、盛大な式を挙げて結ばれるというラブコメモノだ。
多分私がこういう小説を好んでいるということでこのチョイスだと思うが、一人で見ていたらキュンキュンしまくりだっただろうが、賢一と二人で観ているとなんだか気まずかった。

「雪もこういうの憧れる?」

「いやいや、これはドラマだから」

「でも、色々と囁かれながらするのはどう?」

「えっ」

そんなの恥ずかしいに決まっている、と心でツッコんでいたら、いつの間にか組み敷かれていた。

油断ならん男!!

濡れそぼった場所を賢一の長い指がなぞるとピクリと肌が反応してしまった。

「こんなに濡らして、いやらしい身体だな。そんなに、俺のピーーーーーーーーー!が欲しいのか」

実践してるぅーーーーーーー

「ここに何が欲しいのか言ってごらん」

「もう!恥ずかしいからヤメテーーー」
と雄叫びを発した私の唇はあっけなく賢一に塞がれた。
< 139 / 226 >

この作品をシェア

pagetop