タングルド
~新二×彩香~

トルルルルルルルルル
トルルルルルルルル

ブッ

タダイマデンワニデルコトガデキマセン
モウイチドオカケナオシクダサイ

「はぁ」

何度かけても留守電にすらならない。

LINEにも連絡が欲しいとメッセージを送るが既読もつかない。

今、賢一さんは何をしてるんだろう。

「彩ちゃん、そういえば生理が来てないって兄さんが言ってたけど、検査薬とか使った?」

「え?賢一さんが新二くんに言ったの?」

「だって、オレが聞いてないっておかしいよね?検査した?」

「してない」

「どうして?」

「その・・・一人では怖いというか」

新二はバッグから妊娠検査薬を取り出した。

「オレがついているから検査してみなよ」

有無を言わさず新二は彩香をトイレまで誘導した。

新二は彩香をトイレに残し、ベッドに横になりながら雪と賢一の写真を見る。

「幸せそう、兄さんはこういうクール系の美人が好きだったんだ」

彩香が複雑な面持ちで新二が座っているベッドまでやってきた。

「それで?」

「陰性」

「なーんだ残念。そういえば兄さんの恋人?愛人?に会ったよ。キャリアウーマン風の美人」

「ほら」と、言って例の写真を彩香に見せる。

「この人が、賢一さんの好きな人なんだ」

「今頃、二人でこんなことしてたりして」
そう言うと、新二は彩香を抱き寄せた。




































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