タングルド
「う〜ん♡やっぱり美味しい。本当は昨日食べようと思ったんだけど、食欲がなくて食べられなかったのよね」
唐揚げを頬張る、食べている時は嫌なことも忘れられるしって一瞬だけだけど。
賢一も同じ唐揚げ弁当の大盛りを食べながら、私の言葉に反応する。
「食欲が無い?調子が悪かったのか?」
「大丈夫、この通り今日は元気だから」
「それならよかった」
些細なことでも気遣ってくれる、そういうところが嬉しかった。
でも、今は少し不安になる。
「そういえば、中華街のお店」
「東華?」
「美味しかったな〜って」
「また行こうか」
あの時、志豪さんが賢一の彼女は東華にはこなかったって言っていたっけ。
もしかして、それが森川彩香なの?
「志豪さんが言っていた東華に来ない賢一の彼女でどんな方なの?」
賢一の表情はほとんど変わらない。
広角だけが上がり頬杖をつきながら上半身だけを前のめりに傾けてきた。
「俺の元カノの事が気になっていたんだ。いいよ、聞きたいことはなんでも聞いて」
「元カノは開業医の一人娘で大人しい感じの子、大学時代に付き合ったんだけど、向こうのご両親は医者の彼を希望していて俺は医者になる予定は無いからね」
開業医の娘?
建築関係じゃ無くて?って、建築の方は進行形の婚約者か・・・
どちらにしてもセレブな交友関係ってことなのね。私はすっごい庶民だし、箸休めなのかしら?
「その彼女が高級中華を好んでいたってこと?」
そう言ってから、とても失礼なことだと気がついた。
「ごめんなさい、別に揶揄してるわけじゃなくて」
賢一は笑いながら
「そんな風に思わないから大丈夫、志豪の言い方が悪意がありすぎなんだ。高級中華がいいんじゃなくて、東華の店がダメなんだよ。潔癖症ってワケじゃないけど、家が病院で子供の頃から清潔第一で育ってきたから、店の雰囲気がダメだったんだ」
「あっ」
私が悟った表情をしたことで、賢一も満面の笑みになる。
すごくしっくりきた。
賢一が高級品を好む女性を好きだと言うのが違和感があったから。
同じ様に森川彩香と賢一が並んでいる姿もなんとなく想像がつかない。
「それから、大学を卒業して俺は台湾に行ったからそれっきり会ってないし、彼女が今どうしているのかも知らない。納得した?」
「うん」
「じゃあ、ご飯たべてしまおう」
唐揚げを頬張る、食べている時は嫌なことも忘れられるしって一瞬だけだけど。
賢一も同じ唐揚げ弁当の大盛りを食べながら、私の言葉に反応する。
「食欲が無い?調子が悪かったのか?」
「大丈夫、この通り今日は元気だから」
「それならよかった」
些細なことでも気遣ってくれる、そういうところが嬉しかった。
でも、今は少し不安になる。
「そういえば、中華街のお店」
「東華?」
「美味しかったな〜って」
「また行こうか」
あの時、志豪さんが賢一の彼女は東華にはこなかったって言っていたっけ。
もしかして、それが森川彩香なの?
「志豪さんが言っていた東華に来ない賢一の彼女でどんな方なの?」
賢一の表情はほとんど変わらない。
広角だけが上がり頬杖をつきながら上半身だけを前のめりに傾けてきた。
「俺の元カノの事が気になっていたんだ。いいよ、聞きたいことはなんでも聞いて」
「元カノは開業医の一人娘で大人しい感じの子、大学時代に付き合ったんだけど、向こうのご両親は医者の彼を希望していて俺は医者になる予定は無いからね」
開業医の娘?
建築関係じゃ無くて?って、建築の方は進行形の婚約者か・・・
どちらにしてもセレブな交友関係ってことなのね。私はすっごい庶民だし、箸休めなのかしら?
「その彼女が高級中華を好んでいたってこと?」
そう言ってから、とても失礼なことだと気がついた。
「ごめんなさい、別に揶揄してるわけじゃなくて」
賢一は笑いながら
「そんな風に思わないから大丈夫、志豪の言い方が悪意がありすぎなんだ。高級中華がいいんじゃなくて、東華の店がダメなんだよ。潔癖症ってワケじゃないけど、家が病院で子供の頃から清潔第一で育ってきたから、店の雰囲気がダメだったんだ」
「あっ」
私が悟った表情をしたことで、賢一も満面の笑みになる。
すごくしっくりきた。
賢一が高級品を好む女性を好きだと言うのが違和感があったから。
同じ様に森川彩香と賢一が並んでいる姿もなんとなく想像がつかない。
「それから、大学を卒業して俺は台湾に行ったからそれっきり会ってないし、彼女が今どうしているのかも知らない。納得した?」
「うん」
「じゃあ、ご飯たべてしまおう」