タングルド
<ささやかな幸せ>
賢一の腕の中で目が覚める。
この幸せな時間が続けばと思う。
恋愛小説を読んでいる時は、彼への疑惑を聞くことができないヒロインにイライラした。
聞けばいいのにと、でも自分が今その立場になるとヒロインの気持ちがわかる気がする。
もし聞いて森川彩香が婚約者なら、この関係はすぐにでもやめたほうがいいと思う。
でも、聞かずに疑惑のままなら残りの時間を過ごすことが出来る。
だから、聞かない。
それで解決するワケじゃないけど、結論は先延ばしにしたい。
最後の日、何も聞かずに別れるのか、きちんとケジメをつけるために真実を知るのか。
その決断すらまだできていない。
「おはよう」
この幸せな時間が続けばと思う。
恋愛小説を読んでいる時は、彼への疑惑を聞くことができないヒロインにイライラした。
聞けばいいのにと、でも自分が今その立場になるとヒロインの気持ちがわかる気がする。
もし聞いて森川彩香が婚約者なら、この関係はすぐにでもやめたほうがいいと思う。
でも、聞かずに疑惑のままなら残りの時間を過ごすことが出来る。
だから、聞かない。
それで解決するワケじゃないけど、結論は先延ばしにしたい。
最後の日、何も聞かずに別れるのか、きちんとケジメをつけるために真実を知るのか。
その決断すらまだできていない。
「おはよう」